俺はブルブル震える手でスマートホンを顔の上に出した。
 雅人に送ってしまったメッセージをもう一度確認する。

雅人『お誕生日おめでとうございます。お互いとうとう十八歳だな。充実した年になるといいですね』

陸也『男同士でつきあうってどういう感じなんですかね。俺は初めてでどうしたらいいのかよくわからないんで、まずは普通に学生っぽいデートからがいいです。どうでしょうか? よろしくお願いします』

雅人『お前、本気なの?』
雅人『これ、俺へのメッセでいいんだよな?』

 はあああ?
 バカバカバカバカ、俺のバカ。
 告白しちゃったじゃん。しかもデートに誘ってるじゃん。
 受験勉強するから一緒に帰ることもできないって言ってる相手を、デートに誘っちゃったじゃん。
 俺ってバカなの?
 いや、バカなんだけどさ。

『悪い、誤爆した。他の人に贈るメッセージだったんだよ』
 今すぐそう打てばいいんだ。
 お前になんて言ってないよ。俺は、雅人じゃなくて誰か違う人とつきあおうとしてたんだよ。
 そう打てば――。

 スマートホンを握って焦る俺を後目に、画面には新しいメッセージが表示された。

雅人『急に敬語になるなよ。他人みたいでびっくりするだろ』

 それ、昨日のお前のことな!!

雅人『うん、わかった。俺今年絶対うかるから。だから受験終わったら、つきあおうな』

 え。
 俺の時は再び止まった。

 あれ、ひょっとしてこれって。
 胸の奥から喜びがこみあげてくる。思わず口元がにやける。
 その時、俺のスマホがまた振動した。

雅人『って言うと思ったか?』

 え、なに。