私は今、精神科病棟に入院している。入院理由は、昼夜逆転を治すためだ。
「七瀬さん。今、大丈夫ですか?」
看護師さんが来てくれたみたいだ。いつも、声でどの看護師さんなのか判断している私。聞いたことのない声に、少し戸惑いながら大丈夫ですと返事をした。
「失礼します。七瀬さん、はじめまして。桜川っていいます。七瀬さんの担当看護師です。」
私は、初めて会う人の前では緊張してしまうという癖がある。ぎこちなくよろしくお願いしますと言った。笑顔を作ってみたものの、不自然だったと思う。そして目線を上げると、目があった。私はその瞬間に恋に落ちたのだろう。
桜川さんの三つの魅力に気がついた。一つ目は、声だ。高すぎず低すぎず、桜川さんの声は落ち着くことができる。二つ目は、スタイルの良さだ。腕や足がとても細く、ウエスト部分も引き締まっているのが分かる。モデルさんのようだ。最後はビジュアルだ。マスクをしているので、目元しか分からない。しかし、見える部分だけでもビジュアルが良いことが分かる。名札にはマスクを外した写真がある。そこにそっと目を移すと、美しい顔があった。それに、肌の色も白い。私の理想を全て持っているような人だ。お話しをすることになった。話した内容は、これから桜川さんが勤務の日は、話そうと言うこと。一目惚れを経験した私は、そう言われてもちろん嬉しかった。話すということは一緒に居られるということだから。今まで、この中でだったらこの人がいいなっていうことはあったけれど、こんな感覚は初めて。桜川さんを見れば見るほど、心拍数が上昇していくのが自分でも分かってしまう。これは発表会の時などの緊張なんかじゃないと自信を持って言える。長調のバックミュージックがかかっているようだ。桜川さんに好かれたい。そう思った。過去にしたことのある友達との恋バナを思い出す。私の友達も似たようなことを言っていた気がする。私は今まで、恋なんてしても意味がないと思っていた。私にとって恋は、友達が楽しんでいるものだった。でも、恋をしてみて分かった。恋愛というものは人の心を躍らせてくれること。でも、一つだけ分かってしまうことがあった。桜川さんの恋愛対象は私ではないこと。しかも、今日話したところによると、桜川さんは二十七歳で、私はまだ十五歳。十二歳も差があるのだ。その壁は大きい。さらに大きい壁がある。それは、桜川さんと同性だと言うことだ。私は少し、同性愛に偏見を持っていた。同性愛に対して、私が抱いてきた感情は気持ち悪いというもの。そもそも、私には関係のない遠い世界の話だと思っていた。私の友達からは、同性を好きになったなんて聞いたことがない。だから、同性を好きになることは、いけないこと、普通のことではないと思っていた。まさか自分が当事者になるとは思ってもみなかった。信じられないし、認めたくもない。借りに認めたところで私たちが結ばれることはない。そうと分かった瞬間、胸が苦しくなった。「スパークル」という歌が思い出される。それは秋の一小節だった。
「七瀬さん。今、大丈夫ですか?」
看護師さんが来てくれたみたいだ。いつも、声でどの看護師さんなのか判断している私。聞いたことのない声に、少し戸惑いながら大丈夫ですと返事をした。
「失礼します。七瀬さん、はじめまして。桜川っていいます。七瀬さんの担当看護師です。」
私は、初めて会う人の前では緊張してしまうという癖がある。ぎこちなくよろしくお願いしますと言った。笑顔を作ってみたものの、不自然だったと思う。そして目線を上げると、目があった。私はその瞬間に恋に落ちたのだろう。
桜川さんの三つの魅力に気がついた。一つ目は、声だ。高すぎず低すぎず、桜川さんの声は落ち着くことができる。二つ目は、スタイルの良さだ。腕や足がとても細く、ウエスト部分も引き締まっているのが分かる。モデルさんのようだ。最後はビジュアルだ。マスクをしているので、目元しか分からない。しかし、見える部分だけでもビジュアルが良いことが分かる。名札にはマスクを外した写真がある。そこにそっと目を移すと、美しい顔があった。それに、肌の色も白い。私の理想を全て持っているような人だ。お話しをすることになった。話した内容は、これから桜川さんが勤務の日は、話そうと言うこと。一目惚れを経験した私は、そう言われてもちろん嬉しかった。話すということは一緒に居られるということだから。今まで、この中でだったらこの人がいいなっていうことはあったけれど、こんな感覚は初めて。桜川さんを見れば見るほど、心拍数が上昇していくのが自分でも分かってしまう。これは発表会の時などの緊張なんかじゃないと自信を持って言える。長調のバックミュージックがかかっているようだ。桜川さんに好かれたい。そう思った。過去にしたことのある友達との恋バナを思い出す。私の友達も似たようなことを言っていた気がする。私は今まで、恋なんてしても意味がないと思っていた。私にとって恋は、友達が楽しんでいるものだった。でも、恋をしてみて分かった。恋愛というものは人の心を躍らせてくれること。でも、一つだけ分かってしまうことがあった。桜川さんの恋愛対象は私ではないこと。しかも、今日話したところによると、桜川さんは二十七歳で、私はまだ十五歳。十二歳も差があるのだ。その壁は大きい。さらに大きい壁がある。それは、桜川さんと同性だと言うことだ。私は少し、同性愛に偏見を持っていた。同性愛に対して、私が抱いてきた感情は気持ち悪いというもの。そもそも、私には関係のない遠い世界の話だと思っていた。私の友達からは、同性を好きになったなんて聞いたことがない。だから、同性を好きになることは、いけないこと、普通のことではないと思っていた。まさか自分が当事者になるとは思ってもみなかった。信じられないし、認めたくもない。借りに認めたところで私たちが結ばれることはない。そうと分かった瞬間、胸が苦しくなった。「スパークル」という歌が思い出される。それは秋の一小節だった。
