「もっと食べても良いか?」

「勿論」

 皇子は飴が気に入ったようだ。もう一つ口に頬張るその無邪気な姿に思わず笑みがこぼれる。
 普段は大人っぽいのに、こうした瞬間にあどけなさが顔を出す。これがギャップ萌えというものだろうか。

「優花殿も」

 差し出された黄色い飴は口に入れると甘酸っぱいレモンの味。懐かしい未来の味。

「ありがとう」

 そう言うと嬉しそうに笑う皇子。その笑顔に私の心が温かくなるのがわかる。これは間違いなくギャップ萌え。と、一人苦笑した。