そんな姿を見ていると気づかされることが沢山ある。便利なことに慣れてしまった私には未来の全てに感動はない。だけど本当は目にする全てが感動に値する物だった。
 何もない世界から過去の人達が私の住む未来の世界を造ってくれたのだから、感謝しなければいけない。なのに便利で物が溢れた世界にいながらも、足りないと何かを求め続ける私達の心は貪欲だ。
 飛鳥時代よりも遥かに恵まれた環境に生まれたはずなのに、足りないと何かを求め続けてしまうのは贅沢病だ。
 この時代の人達は未来より貧しくても。与えられた境遇が未来よりも理不尽でも。無いものではなく有るものを数え大切にしている。その中で真っ直ぐに生きている。皇子だって皇子として生まれたこの人生を投げ出すことなく嘆くことなく受け止め生きているのだ。