「これは、何と言う食べ物なのだ?」

「飴だよ」

「……アメ」

 あまりの感動に固まる皇子。私は袋を差し出す。

「皇子にあげる」

「そ、そんな。恐れ多いものよ」

 私からしたら、ただの飴。でも、こんな感動してくれる人に食べてもらえたほうがきっと飴も嬉しいに違いない。

「友達の記しだから受け取って?」

 私の時代だったら友達の記しに飴なんて笑われるだろうけど。

「な、なんという。優花殿。誠に感謝する」

 皇子は心底喜びながら深々と頭を下げる。