「宮中の皆は知っておる。案ずるでない」

 宮中という表現に、やはりこのお屋敷の名前の最後についていた「ミヤ」が宮だったことを知る。それより……。

「皆?」

「そうだ。兎の化身が私の侍女になったとな」

「え!?」

 このお屋敷にいるのは皇子と側近と侍女に門番。その人達に知られてしまっているなんて……。

「しかし化身だからな。格好は優花殿の自由にすればよい」

「わ、わかった」

 兎の化身というのは恥ずかしいが、その立場だからこそ今私はここにいられるのだからしょうがない。