結局、皇子と一緒の部屋で寝ることになった私は露さんに頼んで間に衝立を置いてもらったけれど、月の明かりに照らすと透けてしまってあまり意味がない。でもダイレクトに寝顔を見られるよりかは、まだマシだ。

「それで、スーパーとは何なのだ?」

 マイペースな皇子は、やきもきするこの心中も知らずに私の世界の話しを聞いてくる。

「色々な食べ物が、季節も関係なくお金で買えるの。お肉も魚も自分で捕らなくていいし、お菓子もあるし」

「オカネ……。オカシ……」

 同じ日本人なのに時代が違うとこうも言葉が違うのか。と、伝えることの難しさを知る。だけど皇子は、理解しているのかいないのかわからないけれど終始真面目に話を聞いては楽しそうにしている。だけど外の闇が一層深くなる頃には規則正しい寝息が聞こえてくきた。何だか小さな子供のようで一人密かにほくそ笑む。