「美味であるか?」

「うん! もの凄く美味しい!」

 興奮しながら次は一口サイズの四角い白い固まりを手にとる。さすがに見たことがない食材に首を傾げていると皇子が教えてくれる。

「それは、()だ」

「ソ?」

 聞いたことがない。クンクンと匂いを嗅いで一口食べてみる。

「……不思議」

 キャラメルのようなチーズのような。

「動物の乳を固めたものだ」

 やはり、この時代のチーズのような食べ物なんだ。 なんというグルメ大国!恐るべし、飛鳥時代!

「……凄い」

 唖然としている私を見て皇子は楽しそうに笑うと、居住まいを正し菜っぱを口に運ぶ。