「自己紹介まだでしたよね。私は坂口優花です」

「私は____……」

 そっと手を差し出すと重なる手の温もりは、あの日と変わらない。記憶がなくても姿が違っても、あなたはあなた。
 だから、また一から始めよう。魂は初めましてじゃないけれど目の前のキミと。今日から一緒に紡いでいこう。この優しい世界で。私達の想いを。
 __私達の歴史を。




おわり。