__七年という月日は、周りの環境と私自身を変えるのには充分過ぎる時間だ。

 同級生の中には都会に出る者も地元でバリバリ働く者も、麻美のように家庭を築く者もいる。私だって歴史嫌いから母校の歴史教師になっているぐらいだ。そうやって、色々なものが変化している。
 一度だけ皇子と見たあの海にも行ったけれど、色が形がやはりどこか違った。自然すら変化してまう長い時の中で、それでも変わらないものは確かにある。
 七年経とうと。ううん、1400年前から変わらない。
 __想い。

 皇子の残した想いは、今もこの町に消えることなく残っている。そして私の想いも同じ。色褪せることはない。