「皆に覚えていて欲しいのは、教科書に載っている歴史が全て正しいわけじゃないってこと。真実は長い時間を経て、変化してしまったりするから」

 未来に戻って、その事実を痛感した。
 __歴史書が全てじゃない。
 それを知って欲しくて私はこの道を選んだ。

「だから、倉石さんのように疑問を持つことは大事なの」

 懐かしい瞳を見つめながら、そっと微笑む。

「どうしてだろう。何故だろう。って、そうやって色々な物を見たり調べたりして皆の中に真実を見つけて欲しい」

 私の言葉に彼女はハニカミながら頷く。

「俺は、歴史嫌い。つまらないもん」

 そう呟いたのは先程名前が覚えられないと言った石田君。