“__私への供物か?”
あの空のように澄みきった瞳で皇子はそんなことを考えていたのかな。どこまでも寂しい色。それは皇子の心その物だ。
“__優花殿がいてくれる。私は寂しくない”
あの言葉は本当だったのだろうか。少しは皇子の寂しさを埋められていたのだろうか。そうだったらいい。そうだったら……。
私はそっと見上げる。あの時、私を過去へと導いてくれた皇子の絵。本物のほうが、もっと格好良かった。いくら見つめ合っていても、もう飛鳥時代に戻ることはない。
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