その身体にギュッとしがみつくと受け止めてくれる腕はいつだって優しい。

「優花殿」

「ん?」

「優花殿に謝らなければならぬことがある」

 顔を上げると悲しみの色を漂わせながら小さく微笑んでいる。

「初めて会った時、私が白妙を着ていたのは覚えておるか?」

「うん。あの、白い着物でしょ?」

 __シロタエ。
 皇子と初めて会った時、この人は真っ白な白妙を着ていた。未来でいう喪服を。

「知人の弔いの為だと言っておったが、あれは偽りなのだ」

「偽り?」

 どういうこと?と、瞳で即してもなかなか言葉が落ちてはこない。不安になった私は皇子の袖をギュッと掴む。