暫くすると戻ってきた物部さんは私達を山の奥へと案内する。ポツリと建つ古い木製造りの建物は神社だろうか。周りには武器を持った見張り役が数人立っている。私達は物部さんの後を追い境内の扉の前で平伏した。
 __この中に、あいつがいる。

「通せ」

 感情のない冷たい声。扉がゆっくり開かれると火の灯りに揺れる不気味な影が現れた。

「顔を上げよ」

 ゆっくりと顔を上げると目の前には鼻の下に八の字の髭を生やしたおじさんがいた。だけどそのオーラが、ただ者じゃない。