一体、私の身に何が起きてしまったのだろう。
ほんの先程まで課外授業で藤白神社にいたはずなのに、クラスメイト達の姿は見当たらないし何故か日本語の通じない青年のお屋敷の敷地内にいる。
__私は、どうやって移動したんだろうか。
思い出そうとしても記憶が全くない。
「……藤白。 ……藤白」 と、青年はブツブツと呟いている。
「そう、藤白。熊野古道の近く」
その瞬間、何かを理解したのか真っ黒な瞳が見開かれる。
「知ってるの!?」
「藤白はキイノクニだ。お主はキイノクニから来たのか?」
__キイノクニ?
あ!! 突然、頭の中でカタカナが漢字に変換される。
「紀伊国ね! そう! 紀伊国の藤白!」
これで、一歩前進。
たったそれだけでも伝わったことが嬉しくて今にも泣きたいぐらいだ。
彼が外人さんだったら海外の言葉がわからない私には致命的。いや、確実に終わっていただろう。
ほんの先程まで課外授業で藤白神社にいたはずなのに、クラスメイト達の姿は見当たらないし何故か日本語の通じない青年のお屋敷の敷地内にいる。
__私は、どうやって移動したんだろうか。
思い出そうとしても記憶が全くない。
「……藤白。 ……藤白」 と、青年はブツブツと呟いている。
「そう、藤白。熊野古道の近く」
その瞬間、何かを理解したのか真っ黒な瞳が見開かれる。
「知ってるの!?」
「藤白はキイノクニだ。お主はキイノクニから来たのか?」
__キイノクニ?
あ!! 突然、頭の中でカタカナが漢字に変換される。
「紀伊国ね! そう! 紀伊国の藤白!」
これで、一歩前進。
たったそれだけでも伝わったことが嬉しくて今にも泣きたいぐらいだ。
彼が外人さんだったら海外の言葉がわからない私には致命的。いや、確実に終わっていただろう。