「少し眠れたか?」と、尋ねる微皇子に素直に頷くと「優花殿を抱いていると安らぐな」と、微笑んでくれる。
 __泣き出してしまいそうな程に皇子が好き。
 窒息しそうな程の想いを私はため息に変える。

「もうすぐ牟婁だな」

 そう言った皇子の気持ちは私にはわからない。 着いてほしくない。と、思っているのだろうか。いや、この人は今の全てを受け止めている。抗い続ける私とは違う。