「痛たたた……」
背中の痛みで目を覚ます。
視界に広がるのは鉛色の空……。の、はずが夕日に照らされ橙色に染まる空を二羽のカラスがカァーカァーと鳴きながら飛んでいく。
綺麗。と、悠長に眺めていたい気分になったが頭に次々と疑問が浮かぶ。
何故、夕暮れなのか。何故、私は倒れているのか。何故、何故……。先程まで課外授業をしていたはずなのに。今日は呪いをする役に抜擢されて、藤白神社で風も吹いていないのに揺れる葉について行って。皇子の祠の前で………。
__麻美!
そうだ!お参りの順番になったと私を呼びにきてくれたんだった。
「麻美!」
ガバッと上半身をお越しながら友の名を叫ぶ。突然動いたせいでクラクラする頭に自分の声が響く。霞む目を一度閉じて瞼を手で擦りながら再び目を開けると、漸く今自分に起きている不可思議な現実を直視する。
__私がいたのは藤白神社のはずだった。
なのに本殿もない。小さな祠もない。あの絵もない。だけど目の前には……。
背中の痛みで目を覚ます。
視界に広がるのは鉛色の空……。の、はずが夕日に照らされ橙色に染まる空を二羽のカラスがカァーカァーと鳴きながら飛んでいく。
綺麗。と、悠長に眺めていたい気分になったが頭に次々と疑問が浮かぶ。
何故、夕暮れなのか。何故、私は倒れているのか。何故、何故……。先程まで課外授業をしていたはずなのに。今日は呪いをする役に抜擢されて、藤白神社で風も吹いていないのに揺れる葉について行って。皇子の祠の前で………。
__麻美!
そうだ!お参りの順番になったと私を呼びにきてくれたんだった。
「麻美!」
ガバッと上半身をお越しながら友の名を叫ぶ。突然動いたせいでクラクラする頭に自分の声が響く。霞む目を一度閉じて瞼を手で擦りながら再び目を開けると、漸く今自分に起きている不可思議な現実を直視する。
__私がいたのは藤白神社のはずだった。
なのに本殿もない。小さな祠もない。あの絵もない。だけど目の前には……。