「優花殿は、ただ隣にいてくれるだけでよいのだ。それだけで力になるのだぞ?」

「そんな大それた女じゃないよ」と、呟く私に皇子は柔く微笑む。

「何を言っておる。未来から来た優花殿は存在そのものが奇跡だ」

「私の存在が?」

「そうだ。何時も奇跡が私の傍におる。力にならないはずがない。だから笑って隣にいてくれぬか?」

 __笑って。
 そうか。こんな私にも、もう一つだけできることがあった。それは、どんな時も笑顔でいること。

「ありがとう」

 隣にいることを、許してくれて。それだけでいいと認めてくれて。