暫しの沈黙が続く。しかし、突然衣擦れの音と共に頼りない音が響いた。
「赤兄。脇息が折れてしまったぞ」と、やっと口を開いた皇子は横に転がった肘掛けを指差す。そして眉間に皺を寄せ「不吉だ」と、呟いた。
ギョッとした私は、思わず叫びたくなる。自分で細工してたじゃない!だから体重をかけただけで壊れたんでしょ!
一部始終を見ていた塩谷さんと舎人さんも呆然としている。
「み、皇子様?」
しかし、赤兄さん大岩さん境井さんの顔だけは強張っていく。
「赤兄。これは不吉だ。やはり、このようなことは考えてはならぬのだ」
もしかして……。と、そこで気づく。これも皇子の作戦? この時代の人達は人智を超えた存在を信じている。脇息に細工をして壊したのは、天のお告げだと赤兄さんを思いとどまらせるため?
「赤兄。脇息が折れてしまったぞ」と、やっと口を開いた皇子は横に転がった肘掛けを指差す。そして眉間に皺を寄せ「不吉だ」と、呟いた。
ギョッとした私は、思わず叫びたくなる。自分で細工してたじゃない!だから体重をかけただけで壊れたんでしょ!
一部始終を見ていた塩谷さんと舎人さんも呆然としている。
「み、皇子様?」
しかし、赤兄さん大岩さん境井さんの顔だけは強張っていく。
「赤兄。これは不吉だ。やはり、このようなことは考えてはならぬのだ」
もしかして……。と、そこで気づく。これも皇子の作戦? この時代の人達は人智を超えた存在を信じている。脇息に細工をして壊したのは、天のお告げだと赤兄さんを思いとどまらせるため?