正直、無計画についてきてしまった。
 戦えもしない私は皇子を守れやしないし、知力で助けることもできない。私にできることは、ただ傍にいること。だったら、どんな時でもその傍から離れないと決めた。

「そろそろでございますよ」

 ヘロヘロになりながら、まだ冬で良かったと思った。これが真夏だったら確実に死んでしまう。朦朧とする意識で先を見渡すと板葺造りの都が見えてきた。

「凄い人でございますな」と、舎人さんが呟く。
その視線の先には数えきれない人が、ちょこまかと動いているのが見える。目を凝らすと、どうやら大きな石を運んでいるようだ。