「私は民に優しい新政を望んでおります。皇子様の御心も同じと、信じております」

 大岩さんの言っていることはわかるけれど、それって……。

「私に大王と中大兄皇子を潰せと?」

 ハッと息をのむ。先程から大岩さんが何を訴えていたのかを知る。
 __謀反を起こせ。

「皆、思っているのでございます。有馬皇子様こそが大王に相応しい御方だと」と、大岩さんがハッキリとした口調で言った。