衝立は頭の上に転がっているけど、もうどうでもいい。ムキになってしまった恥ずかしさと誤解されたやるせなさに、自分の布団に戻るとガバッと皇子に背を向け横になる。

「お、怒っておるのか?」

「ええ、とても」

 衣ずれの音がしたと思うと枕元に気配を感じる。

「すまない。私はそのような類のものに疎いのだ」

 いつかと同じように私の頭を優しく撫でる。少し触れられただけなのに馬鹿みたいに速くなる鼓動をどうにかして欲しい。

「皇子は好きな人はいないの?」と、質問してから後悔した。肯定も否定も今の私にとってはどちらも落ち込む。