「ご、ごめん、その」

 飛鳥時代の人の髪を触ってみたくて!と、言う前にふっと優しく微笑むとまたすぐに閉じる瞳。規則正しい呼吸も聞こえる。
 もしかして、また寝たのだろうか。 ジーッと観察していると、その瞳が再び開かれる様子はない。どうやら、また寝たようだ。それも私の手を握ったまま。

「……寝るか」

 動くこともできずに皇子を見ていたら何だか眠くなってきた。ゆっくりと隣に横になると、健やかな寝顔を見つめて規則正しい呼吸に自分の呼吸も合わせる。すると驚く程に早く眠りに落ちてしまった。