__それから三日後のこと。 私は飛鳥時代で温泉旅行に行くことになった。が、しかし……。
「……何。これ」
「輿ですよ」
皇子のように身分の高い人は、お祭りでよく見るお神輿のように人が担いでくれる箱に乗るのがこの時代の移動手段。
ここが飛鳥時代だということを忘れていた。当然、車も電車もないのだ。
「さあ、お乗りください」と、イケメン塩谷さんが差し伸べてくれた手をとる。すると先に輿の中に入っていた皇子が顔を出す。そして「下がれ」と半ば強引に塩谷さんから私の手を奪う。
そんな態度をとったら元気だとバレてしまうではないか。と、こちらがヒヤヒヤしてしまう。しかし塩谷さんは何がおもしろいのかクスクスと笑っている。
「……何。これ」
「輿ですよ」
皇子のように身分の高い人は、お祭りでよく見るお神輿のように人が担いでくれる箱に乗るのがこの時代の移動手段。
ここが飛鳥時代だということを忘れていた。当然、車も電車もないのだ。
「さあ、お乗りください」と、イケメン塩谷さんが差し伸べてくれた手をとる。すると先に輿の中に入っていた皇子が顔を出す。そして「下がれ」と半ば強引に塩谷さんから私の手を奪う。
そんな態度をとったら元気だとバレてしまうではないか。と、こちらがヒヤヒヤしてしまう。しかし塩谷さんは何がおもしろいのかクスクスと笑っている。