「元気な証拠であるな」

 私のお腹の音に笑い出した皇子。
 もし、これを歌にするならば……。
  __お腹減る。とてもとても腹が減る。
 こんな歌を読んだら、もうお嫁には行けないだろう。

「優花殿」

 肩を落としながら手招きをする皇子の隣に腰をおろす。
 歌が上手い程モテるという時代に生まれなくてよかったとつくづく思う。