「他に何か感じたことはあるか?」

 突然、意見を求められふと彫りの深い顔が浮ぶ。

「塩谷さんは私の時代でいうイケメンだったよ」

「……イ、メンとは?」

 首を傾げる姿に苦笑する。

「色男?」

 言い替えてみたけれど、また通じていないのか皇子の眉間にクッキリとした皺ができた。

「えっと、良い顔って意味で」

 その瞬間、手首を引かれる。
 鼻筋の通った皇子の鼻と私の鼻が触れそうになる。時が止まった。私はその漆黒の瞳に見つめられ動けなくなる。