「……皇子のことなんだけど」

 口ごもる私に五月雨さんが小首を傾げる。

「アリマノ皇子様がどうかなさいましたか?」

「……その。いつから患ってるの?」

 __虚ろな目。間延びした話し方。
 どう見ても病人を演じているように見える。

「……それは」

 顔を曇らせながら五月雨さんがゆっくりと口を開く。