8月22日深夜


「獅子座の流星群を見に行こう!」


 莉子をキャリアに乗せ港に向かった自転車は煌々(こうこう)と明るいコンビニエンスストアの前を駆け抜けた。


「あのバスターミナルを曲がったら港だよ」


 僕のペダルは加速しチェーンリングの音が激しくなった。スピードを加速させた黄色点滅信号の交差点、その時だった。


「莉子!」


 自転車のグリップを力一杯握りブレーキレバーを引いた。前輪が横に滑るのを感じ次の瞬間(いびつ)になった自転車のホイールが宙に舞った。僕の身体は不自然な格好でアスファルトに叩きつけられた。