漣のそんな話を聞いているうちに、どうやら繁華街への入り口らしき通りにたどり着いた。
 瞳子たちが最初に着いた街角とは違い、ずいぶん現代の現世に近い景色が広がっている通りに出た。目の前の大門を除いては。
門の向こうに見えている街並みとはちぐはぐな取り合わせの、昭和の商店街入り口を彷彿とさせる大門。その冠には『幽玄大通り』とある。
「ここへ着いてすぐのときに、漣くんが言ってたけど、ココには車も走ってるんだね。クラシックカーマニアが泣いて喜びそうな車が多いけど・・・」
 そういう雪兎の目も爛々として道行く車を追っている。
「基本的に、幽世…なかでも幽玄界では変わってゆくことをあまり望んではいませんが、現世の現状も知っておかないと、現世で暮らしていけませんからね。ここは、その練習の場みたいなものです。『幽世ツアーズ』のオフィスもここにあります。ほら、あの銀色のビル。あの38階です」
「あ。ちゃんとオフィスあるんだ・・・てっきり、漣くん一人かと思ってた」
「38階ワンフロアが幽世ツアーズのオフィスで、ほとんどの従業員は研修を終えたら、現世の幽世ツアーズへ行ってます」
「え?現世に『幽世ツアーズ』なんていう旅行代理店、聞いたことないけど?」
「あぁ、現世では『KKYジャパンツーリスト』。通称『ジャパツリ』です」
『えぇ!!あの、旅行代理店最大手の『ジャパツリ』?』
 瞳子のみならず、雪兎までも驚いて大声になっていた。
「はい、幹部は幽世の神事省や刑部省からの出向、スタッフは現世と幽世の混成です。」
「えぇ!?あの会社、幽世と繋がってたの?」
 妙に自慢げにいう漣の袖を紗雪が引っ張り、前方を指差している。紗雪の指差す方向には、明るい町並みには不似合いな黒装束の一団がこちらへ向かって歩いてくるのが見えた。 
 漣に一瞬、ピリリと緊張が走ったが、遠く空を見上げて、内ポケットから扇子を取り出し広げると、空に向かって二度、三度、大きく煽いだ。
 漣の袖を引っ張ったまま、その背に隠れていた紗雪も空を見上げると、漣の背から飛び出て、大きく手を振った。
 その刹那。一陣の強冷風が吹きすさび、一瞬にして瞳子たちは冷凍人間となりかかった。弥狐が紗雪の腕を引いて止めなければ、幽玄界の大通りに氷河期のマンモスのごとく数体の冷凍あやかしと冷凍人間が並ぶことになっていただろう。
「紗雪、手を大きく動かすときには、袖が大きく揺れないように、押さえなさいといつも言っているでしょう!」
 漣は、紗雪を叱りながら、両の腕をさすり、身なりを整え直してスッと背筋を伸ばし、空を見上げた。それと同時に、前方から向かってきていた黒衣(くろごろも)の集団がザッという音共に、その場に片膝を付き、頭を垂れた。
 凍りかけるわ、黒衣の集団が迫ってくるわ、その黒衣の集団が一斉に立ち止まったどころか、跪いている。呆然とする瞳子たちと黒衣の集団の上に大きな影が射し、大きな羽音と共に、怪鳥が黒衣衆(くろごろもしゅう)の前に舞い降りた。
「もうちょっと快適に飛べんものか!何年天狗をやっとるんじゃ!」
 怪鳥が何か産んだかに思うと、怒りながら羽根のなかから飛び出してきたのは、月影 兎士郎(つきかげ としろう)だった。
「何をいうか、お主こそ、何度乗ったら慣れるのぢゃ。背中でわぁわぁ喚くわ、羽根が引きちぎれそうなそうなほど握りしめるわ、載せてるこっちの身にもなってみろ!」
 声の主は、烏頭 刑(うとう ぎょう)
 怪鳥は姿を消し、その代わりに現れた二人の小さな老人が口喧嘩を始めている。
「天狗堂の衆、何をしている、刑様をお諫めせよ!」
 漣の声に、黒衣衆の最前列真ん中にいた男が立ち上がり、刑の傍まで歩み寄り跪くと、後ろに控えていた数人もそれに続いた。
「えいやっ!」
 掛け声とともに、立ったままの刑をスッと持ち上げると、自分たちの集団の前に下ろし、サッと列に戻っていった。
 刑はまだ、兎士郎に文句を言っていたが、ふと我が身を顧みて、自分の部下たちの前に立っていると気づいて、咳払いでごまかしつつ、身なりを整えた。刑のその様子を見て、先ほど最初に立ち上がった男が錫杖を、その隣の男が羽団扇(はうちわ)を刑に手渡した。
「うむっ」と大きくうなずくと、刑は刑部省の長として、天狗堂の長としての威厳を醸しつつ、羽団扇を高く掲げた。
『御館さまっ!』
 黒衣衆一同が頭を垂れると、瞬時にバラバラと散っていった。
「刑様、随分と大仰な登場ですね。あれほど、目立つようなことは!と申し上げたではありませんか!」
「漣、すまん、すまん。それを奴らに伝え忘れておったわ。あっはっはっはっは」
「笑い事では、ありません!これじゃ、瞳子さまたちが此処にいらっしゃると触れてまわっているのと同じではありませんか!」
 ツカツカと刑の方に歩み寄りながら、漣の片手の握りこぶしが徐々に持ち上がってきている。
「漣、何をする気じゃ!?まさか…」
「うおぉ~~~~ッ‼!」
刑はびくっとして尻もちをついた。すかさず黒衣衆が「御館さま!」と叫びながら整列する。やりきった感満載の顔をした漣は、恐れおののいている刑を尻目になにごともなかったかのように、サクサクと瞳子たちの元へ戻ってきた。
「さぁ、瞳子様、参りましょう」
 瞳子たちは、ビビって硬直したままの刑をそのまま放っておいていいのか?と心配しつつも、漣がサクサクと行ってしまうので、硬直した刑の脇を頭を軽く下げて通り越していった。
「一龍齋様ぁ、刑様、あのままでいいの?」
 弥狐が漣の袖を引く。
「バツです!」
 キッパリと言い放ったその言葉もかなり冷たい響きだったが、漣のその目が紗雪の吹雪よりも冷たい。弥狐は、震えながら漣の袖を離して、瞳子のもとへ走り寄った。
「あぁ、烏頭さん、また漣クン怒らせちゃって。よしよし、弥狐に怒ってるわけじゃないからね」
 瞳子にしがみつく弥狐の頭をポンポンとしながら雪兎が笑うと、弥狐もようやく頬が緩んで笑顔になった。

 漣の早足に瞳子が息も切れ切れで追いついたと思ったら、ハタと漣が歩みを止めて振り返った。
「わっ!びっくりした!突然止まらないでよ。ぶつかるところだった」
「あ、瞳子様、申し訳ありません。ちょっと思い出したことが・・・ちょっと、そこのカフェでお待ちいただけますか?」
 そういうと、漣はカフェに入って中の者に声を掛けると、瞳子たちを手招きして中へ引きいれた。
 外観は重厚な石造りでカフェとは思えない感じだったが、内装は昔ながらの珈琲店という雰囲気。テレビや映画で観た、明治末期か!?大正時代のカフェといった佇まいだ。
 男性スタッフは、ジレに蝶ネクタイ。女性スタッフは、同じくジレに蝶ネクタイではあるけれど、タイトスカートに合わせたランタンスリーブのブラウスが少々時代がかって見える。
 瞳子たち夫婦は、きょろきょろと店内を見回していたが、あやかしの子らは、すっかり席を陣取って瞳子たちが席に着くのを待っている。

 天井から下がった少々ヤニ曇った感のするシャンデリアを見上げていた瞳子の側まで来て、手を引く弥狐に気づくと、瞳子はうなづきながら手を引かれるままに席に着いた。
 その様子を見て、慌てて弥狐に倣うように雪兎の側へ走り寄った紗雪だったが、雪兎は紗雪に気づくことなく、カウンターに向かって一直線に歩み寄っていった。
「あ、あの、パウリスタの創設者でらっしゃる華原 龍(かはら りょう)さん…じゃないですか?」
 声を掛けられたカウンターの中の紳士は、雪兎をチラリと見て、柔らかな微笑みを向けると、そのままサイフォンに目を落とした。
「caldo come l’inferno, nero come il diavolo, puro come un angelo e dolce come l’amor」
 カウンターの中ほどに座っていた大きめのボータイを結んだ丸眼鏡の紳士がつぶやいた。
「caldo come l’inferno…l’inferno…悪魔の如く黒く、地獄の如く熱く、天使の如く清らかで、愛の如く甘く…それがコーヒー…だ…」
 雪兎が答えてカウンターの紳士を見ると、紳士は片目を閉じて、いたずら小僧のような笑みを返して来た。
「『鬼の如く黒く、恋の如く甘く、地獄の如く熱きコーヒー』私が作った宣伝句は、こうだったんですけどねぇ…」
 相変わらずの柔らかい笑みのまま、サイフォンから注ぎ分けたコーヒーをカウンターの紳士に差し出した。
「華原さんだって、ターレンのこの言葉をもとにしたんでしょ!?言ってるコトは同じなんだ。いいじゃありませんか。」
「永井先生に掛かったら、大抵のことは大したことじゃなくなってしまう。人生でホントに大切なことなんて、指で数えられるほどしかないんでしょうな。アッハッハッ」
 雪兎は、カウンターの外と内にいる紳士を交互に見ながら、口をパクパクさせている。

「ユキト、ユキト!大丈夫?」
 袖を引きながら、雪兎を見上げる紗雪にようやく気づいた雪兎は、うんうんとうなずきながら、それでも二人の紳士から目を離せないでいた。
「雪兎くんというのかね?雪兎くん、そんなとこに立っていないで、まあ座り給えよ。隣のお嬢さんも」
 カウンターに座る丸眼鏡の紳士が、雪兎に自分の隣の席を勧めると、近くに立っていた男性スタッフがサッとやってきてカウンターの椅子を2つ引いた。
 カウンターの二人から目を離せないままの雪兎は、夢現のような(てい)で席に着いた。それを見ていた紗雪もそそくさと席に着いて、雪兎の顔を覗き込んでいる。
「あ…あの…こちらは、華原龍さんでお間違いないですよね?日本の珈琲文化の始祖でいらっしゃる…」
 ようやく口を開いた雪兎がカウンターの中の紳士にそう語りかけると、今度はカウンターの隣の紳士に向き直った。
「そして…こちらは…間違いでなければ、永井…永井荷風先生ですか?」
「さようでございますよ。このカフェの常連で、私のカフェづくりの師匠でいらっしゃる」
 答えたのは、かの永井荷風ではなく、カウンターの中の華原龍だ。
「えぇ!!えぇ〜!!!うわぁ~どうしよう。僕の憧れの方が揃ってここにいらっしゃるなんて!」
「おぉ?憧れの、などと大仰なことを。こんな遊び人風情な私を…アハハハ。これは頓狂なことを」
 永井がボータイを弄びながら、大笑いするのをにこやかに眺めながら、カップを用意して、雪兎と紗雪にも華原がコーヒーを進めた。
「ユキトのが、上手いよ」
「紗雪、この方は僕の先生だ。師匠だ。僕なんか足下にも及ばないんだよ」
 飲みもしないで抗議する紗雪の頭を撫でながら、大切なものを抱きしめるようにカップを手で包みながら雪兎が宥めた。
「ほぉ~。雪兎くんもコーヒーを?」
「いえいえ。僕なんか単なる趣味ですから…」
「いやいや、興味深いね。どうかな!?こっちへ来て、私に一杯淹れてくれないかな?」
 華原が雪兎をカウンターの内に誘うと、その背を押すように永井が畳み掛けてくる。
「そりゃいい!私もご相伴に与れるかな!?」
 雪兎の椅子を片手で回して自分の方へ向けると、永井も手をカウンターの方へ手を滑らせて誘っている。
「まいったなぁ…」
 雪兎は、カウンターの椅子から降りて、まんざらでもない様子で、カウンターの華原の隣へ並んだ。
 華原は、自分のバリスタエプロンを外して、雪兎に渡すと、永井の隣に並んで座った。
 受け取った雪兎は、バリスタエプロンを締めながら、カウンター内を見回した。
「コレをお借りしても…?」
 雪兎が手にしたのは、フレンチプレスのポットだ。
「いいとも。幽世ツアーズの子が何年か前に現世土産に買って来てくれたモノだがね。紅茶ポットと聞いていたが、コーヒーも淹れられるのかね?」
 華原は興味津々という風に身を乗り出して尋ねてきた。
「えぇ。まぁ…。僕も普段は、布や紙のフィルターでドリップしますけど、お二人は普通のコーヒーは飲み慣れてらっしゃるでしょうから、ちょっと趣きの違うモノを…」
 不承不承カウンターに入ったかのような雪兎だったが、その実、手慣れた喫茶店のマスターさながらおしゃべりをしながらもテキパキとコーヒーを準備している。
「雪兎、こんなとこまで来て、またコーヒー淹れてるの?もぉ!みんな、あっちで待ってるのよ」
 なかなか皆と一緒の席に着かない雪兎を瞳子が迎えに来た。
「あぁ、瞳子さん、ちょうど良かった。僕のバッグからシュガーの缶、持ってきて」
「えぇ!?なんなの?いったい」
 不服そうにしながらも、雪兎がこういうときにはトコトンまでいかないと収まらないとわかっている瞳子は、黙って雪兎のバッグからシュガー缶を取り出して、雪兎の前に置いて、自分も紗雪の隣に腰掛けた。
「あ。紗雪、みんなのところへ行ってていいわよ。そしてみんなに、好きなもの注文していいわよって言ってきて」
 紗雪は、そこに残りたそうな顔をしつつも、瞳子の伝言を伝えに他の皆が待つテーブルへ小走りで向かった。
 雪兎は、コーヒーを淹れつつもカウンターのあちこちをパタパタと開け締めした挙げ句、宝物を見つけたような目をすると、その見つけたモノを華原と永井の前にセットした。
 雪兎がセットしたもの。それは、茶托に乗せた、少々大ぶりなぐい呑み。
 コーヒーを待っていたのに、出てきたのは、ぐい呑み。雪兎は満足げだが、華原と永井は目を白黒させている。それでも黙って、雪兎の動向を見守っている。
 瞳子は、コーヒーシュガーのポットにシルバーのスプーンを差し込み、ザクザクと軽く混ぜて、二人の茶托の間にセットした。
 瞳子のその様子を珍しいものを見るような目で見ていた、華原と永井の二人。その二人がさらに目を見開いて驚いたのは、雪兎が二人に出したコーヒーだった。
「ゆ…雪兎くん?コレは?」
 華原が恐る恐る尋ねてきた。
「華原さんや永井先生は、普通のコーヒーは飲み慣れてらっしゃるだろうし、『エスプレッソ』にしてみました。ま、機材がなくて"クレマ"がほとんどないので、『エスプレッソ』風なんですけど…」
 雪兎が照れながら、説明していると、もう永井がカップに口を付けようとしている。
「あ!先生、ちょっと待ってください。お砂糖を入れて、軽くかき混ぜてから…」
「そうなのかい?最近の現世じゃ、ブラックっていう飲み方が流行っていると聞いてきたんだが、砂糖入れていいんだね」
「本場では砂糖を入れて飲むんですよ。日本では“ブラック”=砂糖なしと思われがちですけどね。」どうぞ砂糖を入れて飲んでください。そのスプーンに2〜3杯くらいが美味しいと思いますよ」
「ほう…この小さなカップに、2〜3杯…」
 華原と永井は、雪兎に進められるまま、それぞれ砂糖を入れた。
「底に砂糖が残る程度に適度に混ぜて、ひと口でコーヒーを飲んでください」
 二人は、恐る恐るカップに口をつけ、言われるままにコーヒーを飲み干した。
『おぉ…これは…!』
 永井が目を閉じ、うっとりした声を漏らす。
「甘くて、後から苦味が広がる……クセになる味わいですな。」
「そしたら、底に溜まった砂糖を掬って召しあがってください」
 底の溶け残った砂糖を掬い、口に運ぶと、永井と華原は見つめ合い、そして笑い出した。
「なんということでしょう。苦くて濃いコーヒーを飲んだあとに、ピッタリのデザートのようですな。
 甘くておいしい〜!これはまるでプリンのカラメルを食べてるようですね。苦甘く、香ばしく…」
 感動しきりの華原の隣で、永井は名残惜しそうにスプーンを口から離して、雪兎に向き直って尋ねた。
「雪兎くん、コレは、なんという豆のコーヒーだね?」
「おぉ、それは私も知りたいですな」
 華原も身を乗り出した。雪兎も饒舌にエスプレッソを語り始めた。
 華原は、胸ポケットから眼鏡を取り出して、近くにいたスタッフにペンを催促すると、近くにあったコースターに雪兎の言葉を書き留め始めた。
「おぉ。いいですね。これがここでもまた、いただけるようになりますな」
 その姿を覗き込むように見ながら、永井が満足げに言った。
 雪兎は、大慌てで両手を振りながら、華原と永井の間に割って入った。
「すみません。つい、スケベ心が出て、外連味を狙ってしまっただけです。これは、あくまでも余興ですから・・・エスプレッソマシンという機械があれば、本格的な「エスプレッソ」が楽しめますが、ココ、幽世で手に入るか…」
 雪兎の言葉を遮るようにして、華原が答えた。
「ここは幽世ですよ?そんなもの、なんとでもなります!」
「ん?どっかで聞いたセリフね…」
 瞳子と雪兎は顔を見合わせたが、華原も永井もどこ吹く風とばかりに、「エスプレッソ」の話で盛り上がっている。
「あぁ、こちらにいらしゃいましたか。さぁ、参りましょう」
 漣が、瞳子たちのいるカウンターに歩み寄ってきた。
「あぁ、こちらのお二人は、一龍齋様のお客様でしたか。そうでしたか。これは、いい」
 勝手に言って、勝手に納得している華原に、漣はキョトンとしつつ応えた。
「えぇ、そうでございますが…なにか?」
「うん。今度、現世で「エスプレッソマシン」なるモノを手に入れてきて欲しいんですよ」
「え・・す?ぷれ、っそ?ましん?なんです?ま、(りょう)さんが言うのなら、良いモノなんでしょうね。わかりました。幽世ツアーズの誰かに頼んでおきましょう」
 漣も華原には、一目置いているらしく、いつもの高飛車な態度ではなく、柔らかい物腰で対応している。
 華原は、雪兎に片目を瞑って見せて、サムズアップしている。
「ささ、瞳子様、雪兎様、参りましょう。すみません、お待たせして」
 雪兎と瞳子は、漣に促され、華原達に別れを告げて、カフェを後にした。