起きたら男の体になっていた。勿論私は生粋の女性だ。
おかしい。何十年も親しんだ私の体は、問題なく女性の体であり、決して男性の体ではない。

なのに今、私が存在してる体は完全に男の体だ。確かにボーイッシュな顔をしており、胸もそんなにふくよかではなかったが、小さな膨らみがペタンコなのは一体どーしたんだ?

それより、パートナーの寝顔を見ながら、今後の対策に慌てた。男性の体の私を妻は受け入れてくれるだろうか?生理的嫌悪で別れを言い出されるかもしれない。

でも、どんな姿をしていても私は彼女を愛しているから、彼女にもそれを求めてしまう……か?
どうしよう。気持ち良く眠っている彼女の体が、もし男性体に変化してしまったら?私は彼女を愛する事が出来るのだろうか?
無理ー絶対に無理ー。どうしよう可憐な彼女が大好きな私だから、男要素のある今の私は愛されない。
何度も確かめたペタンコの胸を触り私は、彼女と非接触する日常をイメージした。兎に角ベットから出なければ。と思った時、寝ぼけた彼女が私に抱きついてきた。
冷や汗で顔がぐちゃぐちゃになる。私の背中に彼女のささやかな胸があたり、心拍数が爆発してしまいそうだ。
その内起きる彼女に私は追い出されるのだろうと落ち込んで目をつぶり身震いをしていたら、「おはよ」と可愛らしい彼女の声に起こされた。
そして私は起きた。するとその体は女性だった。夢落ち?と悪夢だと騒ぐ神経に「どっしたの?」と彼女は可愛く笑った。