僕は、大泉動物園前のバス停でバスを降りた。これから人生で初めて‘‘職場‘‘と呼ばれる場所に向かう。しかし!僕は重要なことに気が付いた!それは、どこから入れば良いのかわからないのだ!面接官の鈴木さんには、管理事務所に来いって言われてたけど、、、  とりあえず電話をしてみる。
「はい、もしもし」向こうの相手が電話に出た。出たのは男の人だった
「今日から、飼育員として働くことになった田村ですが、、、管理事務所がどこかわからなくて、、、」
「あぁ、管理事務所ね。今迎えに行くからいまいる場所教えて」
「今、動物園の入り口のとこにいます」
「OK、すぐ行くから待っとって~」
「分かりました」
相手の男性は明るい人で、とても話しやすかった。それからしばらく待つとスキンヘッドのにこやかな顔のおじちゃんが動物園の門から出てきた。
「君が耕作君?俺は奥野雅司って名前。よろしく!呼ぶときは、マッチャンでいいから気安く呼んでな」
「田村耕作です。よろしくお願いします!」
僕がそう答えると、奥野さんは、ついておいでと言い、そのまま動物園に入って行った。
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動物園の管理事務所はゾウ舎の裏の茂を通り抜けるけたところにあった。3階建てのプレハブの事務所で、ほとんどがゾウ舎の中に隠れていて、事務所は表からは見えないようになっていた。事務所の前で奥野さんは、
「ここが、事務所。どうだ?秘密基地みたいでワクワクす        
 るだろ?」
「はぁ、、、」
奥野さんはニヤニヤしながら、そう言った。
まぁ、確かに秘密基地っちゃ秘密基地みたいだけど、、、
プレハブの秘密基地があるかぁ?
僕は、心のなかでそうツッコミをいれた。それから僕は奥野さんに管理事務所を案内された。
 1階は、良くドラマとかで見る会社のオフィスみたいな感じだった。2階は、動物の餌の調理場、3階は管理室で、壁一面にモニターが並べられ、この動物園のにいる全ての人造動物のモニタリングが行われていた。
僕は、管理室の中央に見覚えのある顔を見つけた。僕は奥野さんの顔を見ながら
「奥野さん、あの真ん中んとこにいるなんか偉そうな人っ
 て鈴木さんですか?」
と、恐る恐る尋た。すると奥野さんは、
「そうだよ。あっ、田村の面接官って鈴木だったもんなぁ
 ~」
「鈴木さんとは中がいいんですか?」
「いいも何もって鈴木と俺は、同期なんだよ。まぁ、この 
 動物園じゃ同期がいるのも珍しいけどな!」