* * *
自主見学を終え、宿に戻ったルナ達は、部屋で荷物をまとめていた。明日は大阪の遊園地に行くため、これから移動なのだ。
「明日の遊園地、楽しみだな~!」
鳴海はウキウキとした様子で荷物を詰めている。その横で、景太も目を輝かせていた。
「俺あのジェットコースター乗りたい。日本最長のやつ」
「まじかよ。花里強いな……」
鳴海はそう言って苦笑いした。その傍らで渡辺が、そういえば、と口を開いた。
「……今日、雨宮と話してたよな。何の話してたんだ?」
「あー……百合の好きな人の話?」
「雨宮好きな人いるのか!?」
鳴海が食いついてきた。
「いや、分かんない。聞いたけど教えてもらわなかった」
「分かんないんかい!」
盛大に床に寝そべる鳴海に、ルナは苦笑いした。
今日の百合の様子を見る限り、百合の好きな人に目星はついていたが、ルナは口にはしなかった。
百合にも、きっと告白しない理由があるのだと思ったからだ。
「……よし、花里。お前明日ちゃんと聞いてこい」
渡辺の突然の言葉に景太は首を傾げた。
「なんで?」
「なんでって……気にならないのか?自分で聞いたんだろ?」
「まあ、そうだけど」
「なら、ちゃんと教えてもらえよ。はぐらかされたままじゃスッキリしないだろ」
渡辺の言葉に、景太は少し上を見上げて、やがて頷く。
「……それもそうだな」
景太は自分の荷物を持って立ち上がった。
「明日の遊園地に誘ってくる。ルナ、行くぞ」
景太に促されて、ルナは目を丸くした。
「え、僕も行くの?」
「行かないのか?」
「いや、別にいいけど……」
そういうところだぞ、景太。ルナは心の中で突っ込んだ。なぜ百合だけを誘わないのか。
部屋を出る景太を追って、ルナも百合達を探しに出かけた。
廊下をしばらく歩いていると、制服姿に着替え終わった百合と菫の姿を見つけた。
「百合、藤堂」
「あら、花里君とルナ君!」
「どうしたの?」
「明日の遊園地、一緒に行かないか?」
「遊園地ですか……?」
菫は少し悩んで、やがて言った。
「あいにくですけど、他のクラスの友達に誘われているんですの。わたくしは遠慮いたしますわ」
「そっか……百合は?」
景太に尋ねられ、百合は少し戸惑った。
景太と自分が遊園地を一緒に歩いていたら、また何か言われるかもしれない。
しかし、もう決めていた。景太が一緒にいたいと思ってくれるなら、一緒にいるんだと。
「……いいわよ」
百合は笑顔を作って答える。
「じゃあ、入り口前で待ち合わせな」
「分かった」
百合は頷くと、菫と共に荷物を取りに部屋に戻っていった。
ルナがちらりと隣を見ると、景太の表情は心なしか嬉しそうだった。
「よかったね、景太」
「ああ」
「じゃあ、僕達もそろそろ行こうか」
ルナと景太は、荷物を持って旅館の正面玄関へ向かった。
自主見学を終え、宿に戻ったルナ達は、部屋で荷物をまとめていた。明日は大阪の遊園地に行くため、これから移動なのだ。
「明日の遊園地、楽しみだな~!」
鳴海はウキウキとした様子で荷物を詰めている。その横で、景太も目を輝かせていた。
「俺あのジェットコースター乗りたい。日本最長のやつ」
「まじかよ。花里強いな……」
鳴海はそう言って苦笑いした。その傍らで渡辺が、そういえば、と口を開いた。
「……今日、雨宮と話してたよな。何の話してたんだ?」
「あー……百合の好きな人の話?」
「雨宮好きな人いるのか!?」
鳴海が食いついてきた。
「いや、分かんない。聞いたけど教えてもらわなかった」
「分かんないんかい!」
盛大に床に寝そべる鳴海に、ルナは苦笑いした。
今日の百合の様子を見る限り、百合の好きな人に目星はついていたが、ルナは口にはしなかった。
百合にも、きっと告白しない理由があるのだと思ったからだ。
「……よし、花里。お前明日ちゃんと聞いてこい」
渡辺の突然の言葉に景太は首を傾げた。
「なんで?」
「なんでって……気にならないのか?自分で聞いたんだろ?」
「まあ、そうだけど」
「なら、ちゃんと教えてもらえよ。はぐらかされたままじゃスッキリしないだろ」
渡辺の言葉に、景太は少し上を見上げて、やがて頷く。
「……それもそうだな」
景太は自分の荷物を持って立ち上がった。
「明日の遊園地に誘ってくる。ルナ、行くぞ」
景太に促されて、ルナは目を丸くした。
「え、僕も行くの?」
「行かないのか?」
「いや、別にいいけど……」
そういうところだぞ、景太。ルナは心の中で突っ込んだ。なぜ百合だけを誘わないのか。
部屋を出る景太を追って、ルナも百合達を探しに出かけた。
廊下をしばらく歩いていると、制服姿に着替え終わった百合と菫の姿を見つけた。
「百合、藤堂」
「あら、花里君とルナ君!」
「どうしたの?」
「明日の遊園地、一緒に行かないか?」
「遊園地ですか……?」
菫は少し悩んで、やがて言った。
「あいにくですけど、他のクラスの友達に誘われているんですの。わたくしは遠慮いたしますわ」
「そっか……百合は?」
景太に尋ねられ、百合は少し戸惑った。
景太と自分が遊園地を一緒に歩いていたら、また何か言われるかもしれない。
しかし、もう決めていた。景太が一緒にいたいと思ってくれるなら、一緒にいるんだと。
「……いいわよ」
百合は笑顔を作って答える。
「じゃあ、入り口前で待ち合わせな」
「分かった」
百合は頷くと、菫と共に荷物を取りに部屋に戻っていった。
ルナがちらりと隣を見ると、景太の表情は心なしか嬉しそうだった。
「よかったね、景太」
「ああ」
「じゃあ、僕達もそろそろ行こうか」
ルナと景太は、荷物を持って旅館の正面玄関へ向かった。