* * *
ルナがハルに連れられて来たのは、お化け屋敷だった。
会場になっている2年B組の教室は暗幕で囲まれており外から中は見えない。そして、入り口の前にある、赤い「呪われた病院」という文字が書かれた看板が恐ろしくて、ルナはぶるりと身震いした。
悪魔であるルナ自身、人間からしたら自分は恐ろしい存在であると自覚している。しかし、人間界に来てから知った、ありとあらゆるお化けはあまり好きではなかった。悪魔のルナとしては、どれも得体が知れなくて怖すぎたのだ。
(病院ってことは、幽霊も出るのかな……)
ルナが冷や汗をかいていると、受付を担当していたお団子頭の女子生徒が、ハルを見つけて嬉しそうに駆け寄ってきた。
「あ、ハル!いらっしゃ~い!」
「美亜。調子はどう?」
「絶好調!入ったお客さん、みんな超怖がってる!」
美亜は得意気にそう言うと、ルナの方を見てにこりと笑った。
「黒崎君、ハルと楽しんでいってね」
美亜に笑顔を向けられ、ルナは強がりの笑顔を作る。
「う、うん!ありがとう……」
「じゃあ2人とも、行ってらっしゃ~い!」
美亜に促され、2人はお化け屋敷の中に入っていった。
中は薄暗くてよく見えない。いつどこから何が出てくるのか分からない恐怖に、ルナは身震いした。
しかし、ハルの手前、あまり情けない声を上げるわけにもいかない。
(僕は悪魔……何も怖くない……)
そう念じていた矢先だった。
何かがルナの足を捕まえたのだ。
「あそぼ……あそぼ……」
「ひぃっ……!?」
足元に気を取られていると、今度は目の前からひんやりした何かに襲われた。
「うわっ!?」
顔面に叩きつけられたそれに触ってみると、じっとりとした感触があった。
(こ、これは雑巾……!落ち着くんだ僕!)
なんとか足を振り払い出口へ向かうルナ。しかしその腕を誰かが掴んだ。
「置いていかないでよルナ~……」
おどろおどろしい声の主はハルだったが、ルナの精神はもう限界だった。
「ぎゃーーーー!!」
ルナの悲鳴が校舎中に鳴り響いた。
ルナがハルに連れられて来たのは、お化け屋敷だった。
会場になっている2年B組の教室は暗幕で囲まれており外から中は見えない。そして、入り口の前にある、赤い「呪われた病院」という文字が書かれた看板が恐ろしくて、ルナはぶるりと身震いした。
悪魔であるルナ自身、人間からしたら自分は恐ろしい存在であると自覚している。しかし、人間界に来てから知った、ありとあらゆるお化けはあまり好きではなかった。悪魔のルナとしては、どれも得体が知れなくて怖すぎたのだ。
(病院ってことは、幽霊も出るのかな……)
ルナが冷や汗をかいていると、受付を担当していたお団子頭の女子生徒が、ハルを見つけて嬉しそうに駆け寄ってきた。
「あ、ハル!いらっしゃ~い!」
「美亜。調子はどう?」
「絶好調!入ったお客さん、みんな超怖がってる!」
美亜は得意気にそう言うと、ルナの方を見てにこりと笑った。
「黒崎君、ハルと楽しんでいってね」
美亜に笑顔を向けられ、ルナは強がりの笑顔を作る。
「う、うん!ありがとう……」
「じゃあ2人とも、行ってらっしゃ~い!」
美亜に促され、2人はお化け屋敷の中に入っていった。
中は薄暗くてよく見えない。いつどこから何が出てくるのか分からない恐怖に、ルナは身震いした。
しかし、ハルの手前、あまり情けない声を上げるわけにもいかない。
(僕は悪魔……何も怖くない……)
そう念じていた矢先だった。
何かがルナの足を捕まえたのだ。
「あそぼ……あそぼ……」
「ひぃっ……!?」
足元に気を取られていると、今度は目の前からひんやりした何かに襲われた。
「うわっ!?」
顔面に叩きつけられたそれに触ってみると、じっとりとした感触があった。
(こ、これは雑巾……!落ち着くんだ僕!)
なんとか足を振り払い出口へ向かうルナ。しかしその腕を誰かが掴んだ。
「置いていかないでよルナ~……」
おどろおどろしい声の主はハルだったが、ルナの精神はもう限界だった。
「ぎゃーーーー!!」
ルナの悲鳴が校舎中に鳴り響いた。