今日は運命の日だ。

ルナは気を引き締めて教室に座っていた。

「安藤、伊東、上原……」

先生が名前を呼び、英語のテストが返却される。このテストが合格していれば、ルナは晴れて全科目合格ということになる。

「ルナ君、合格だと良いですわね」

隣の席から、菫が小さな声が聞こえた。

ルナはその声に頷き自分の番を待つ。

「黒崎~」

「あ、はい!」

先生に呼ばれてルナは立ち上がった。

ドキドキしながら先生の前に向かうと、先生はルナに優しい笑顔を見せる。

「休んでたのに頑張ったな」

手渡されたテストを見てみると、点数欄に86と書かれていた。

(やった!合格だ!!)

ルナは席に戻ると菫にピースした。

「藤堂さんが勉強会してくれたおかげだよ……!」

こっそり小声で言うと、菫も微笑んでくれた。

「次、花里~」

「はーい」

景太が呼ばれてゆったりと先生の元へ向かう。

「花里、お前サッカー頑張るのは良いが、もう少し勉強しろよ」

「うぉっ!38点!ギリ合格じゃん!よっしゃ!」

景太の声に、教室中が笑いに包まれた。その中で、百合はやれやれと呆れた表情を浮かべる。

「百合!どうだ!」

「はいはい。ギリギリ合格おめでとう」

何はともあれ、全員が花火大会の切符を手にしたのだった。