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詠斗が言う通り燐音にとって初めてのキスだった。
今までそのチャンスがなかったと言えば嘘になるけれど、どうしても本当に好きな相手とでないとしたくなかった。
だから……詠斗とキスできたことが嬉しかった。
こんなに胸が熱くなって、こんなに惹かれる相手と出会ったのは初めてのことだったから。
でも、詠斗は違ったんだ。
燐音のことが好きでキスしたわけじゃない。
ただの勢い。
ファーストキスを奪ってしまった罪悪感で詠斗の心はいっぱいだった。
だから、謝罪されたんだ……。
その日の夕飯は食べる気分になれず、燐音はずっと布団に潜り込んだままだった。
「燐音、夕飯は?」
と、詠斗が優しく声をかけてきても「いらない」とだけ返事をした。
さすがにお風呂だけは入ったけれど、その後も詠斗と視線を合わせることはなかった。
「なぁ燐音、どうしたんだよ?」
翌日の朝、詠斗が起きるよりも先に起床して部屋を出た燐音を、詠斗が追いかけてきた。
狭い部屋だから制服に着替えている間に目を覚ましていたみたいだ。
詠斗が言う通り燐音にとって初めてのキスだった。
今までそのチャンスがなかったと言えば嘘になるけれど、どうしても本当に好きな相手とでないとしたくなかった。
だから……詠斗とキスできたことが嬉しかった。
こんなに胸が熱くなって、こんなに惹かれる相手と出会ったのは初めてのことだったから。
でも、詠斗は違ったんだ。
燐音のことが好きでキスしたわけじゃない。
ただの勢い。
ファーストキスを奪ってしまった罪悪感で詠斗の心はいっぱいだった。
だから、謝罪されたんだ……。
その日の夕飯は食べる気分になれず、燐音はずっと布団に潜り込んだままだった。
「燐音、夕飯は?」
と、詠斗が優しく声をかけてきても「いらない」とだけ返事をした。
さすがにお風呂だけは入ったけれど、その後も詠斗と視線を合わせることはなかった。
「なぁ燐音、どうしたんだよ?」
翌日の朝、詠斗が起きるよりも先に起床して部屋を出た燐音を、詠斗が追いかけてきた。
狭い部屋だから制服に着替えている間に目を覚ましていたみたいだ。