☆☆☆
うまく行った。
そう思って部屋に戻ってきたとき、先に戻ってきていた詠斗が立ちはだかった。
「なぁ、ああいうのもうやめないか?」
「え?」
突然の言葉に思考回路が追いつかずに首をかしげて聞き返す。
「さっきみたいにわざと根暗を演じることだよ」
「やめるって、それはできないよ」
燐音は左右に首を振った。
これは自分が穏やかな高校生活を手に入れるための手段なんだ。
それは詠斗だって十分に理解しているはず。
今日みたいなトラブルだって、これから先あるかもしれない。
「でも、あんなのやっぱりおかしいだろ。燐音は本当はすごく可愛くて性格だって根暗じゃないはずだ」
「そんなの関係ないよ。本当の僕なんて必要ない」
「なんでそんなこと言うんだよ」
詠斗の顔が悲痛に歪む。
今にも泣き出してしまいそうに見えて、燐音は戸惑った。
どうして詠斗が泣きそうな顔をしているんだろう。
うまく行った。
そう思って部屋に戻ってきたとき、先に戻ってきていた詠斗が立ちはだかった。
「なぁ、ああいうのもうやめないか?」
「え?」
突然の言葉に思考回路が追いつかずに首をかしげて聞き返す。
「さっきみたいにわざと根暗を演じることだよ」
「やめるって、それはできないよ」
燐音は左右に首を振った。
これは自分が穏やかな高校生活を手に入れるための手段なんだ。
それは詠斗だって十分に理解しているはず。
今日みたいなトラブルだって、これから先あるかもしれない。
「でも、あんなのやっぱりおかしいだろ。燐音は本当はすごく可愛くて性格だって根暗じゃないはずだ」
「そんなの関係ないよ。本当の僕なんて必要ない」
「なんでそんなこと言うんだよ」
詠斗の顔が悲痛に歪む。
今にも泣き出してしまいそうに見えて、燐音は戸惑った。
どうして詠斗が泣きそうな顔をしているんだろう。