そう言っていたずらっ子みたいに笑う詠斗に燐音の顔がカーっと赤く染まっていく。
「なんだよそれ! 冗談とか、冗談になってないからな!」
両手を上げて何度何度も詠斗を叩く。
「悪かったって。ちゃんと嘘だって説明したんだから、許してくれよ」
「許さない! 本当に怖かったんだからな! 山で1人でいたときにガサガサ音がして……!」
そこまで言って、そのときの光景をまざまざと思い出してしまった。
クマか幽霊か。
そして京介たちが取った行動も。
「こわ……かったんだからな……」
急に弱々しい声になった燐音が詠斗の胸に飛び込んだ。
カタカタと小刻みに震えている体に気がついて詠斗がハッと息を飲む。
「ごめん。怖がらせて本当にごめんな」
それは自分がついた幽霊の嘘が原因ではないとわかっていたけれど、燐音の体を強く強く抱きしめた。
そして右手で優しく頭を撫でる。
燐音は体の震えが止まるまで、詠斗から離れなかったのだった。
「なんだよそれ! 冗談とか、冗談になってないからな!」
両手を上げて何度何度も詠斗を叩く。
「悪かったって。ちゃんと嘘だって説明したんだから、許してくれよ」
「許さない! 本当に怖かったんだからな! 山で1人でいたときにガサガサ音がして……!」
そこまで言って、そのときの光景をまざまざと思い出してしまった。
クマか幽霊か。
そして京介たちが取った行動も。
「こわ……かったんだからな……」
急に弱々しい声になった燐音が詠斗の胸に飛び込んだ。
カタカタと小刻みに震えている体に気がついて詠斗がハッと息を飲む。
「ごめん。怖がらせて本当にごめんな」
それは自分がついた幽霊の嘘が原因ではないとわかっていたけれど、燐音の体を強く強く抱きしめた。
そして右手で優しく頭を撫でる。
燐音は体の震えが止まるまで、詠斗から離れなかったのだった。