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京介がどうしてあんなことを言ってきたのか。
登山開始から10分経過したところで痛感することになった。

低い山だと聞いていたのだけれど、結構な勾配があり歩きにくい道が最初から続いているのだ。
しかも道幅は狭くてすぐ近くに木々が迫ってきていて圧迫感がある。

頭上からの木漏れ日がなければ、登山に慣れていに者が歩くことは難しそうだ。
「燐音、大丈夫か?」

あっという間に最後尾になってしまった燐音を気にして詠斗が声をかけてくる。
「うん。大丈夫」

少し息があがってきているけれど、まだ歩くことはできる。
だけど詠斗ならもっと早く歩いて登ることができるはずだ。

こうして並んで歩いているのは燐音のことを気にしているからだろうと、安易に想像がついた。
「詠斗は気にせず先に行っていいから」

「なに言ってんだよ。こういうのは友達と歩くから楽しいんだろ」
「でも……」