部活とか恋愛とかそういうのに無縁で過ごす生徒だっている。
特に自分みたいな人間はそうなんだ。

なににも向いていないのだと、自分でよくわかっている。
「でもまぁ、それもありだよな」

思いがけず前向きな言葉を聞いて燐音は驚いて詠斗を見た。

「部活だけが学校生活じゃないしさ、真っ直ぐ帰って漫画読んだりゲームしたりするのもありだよなぁ」

「う、うん」
そんなふうに肯定してもらえるとは思っていなくてたじろいでしまう。

もしかして嫌味として言っているのだろうかと詠斗の顔を覗き込んで見たけれど、その表情は至って真剣そのもので、更に驚いてしまった。

「いいんじゃないか? 自分の好きなようにすごせば」
そう言う詠斗はキラキラと輝いていて眩しすぎて燐音には直視することができなかったのだった。