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人のいない渡り廊下まで移動してきたとき、詠斗はようやく足を止めた。
「あいつら中学の同級生なんだ。本当にごめん」

燐音に背を向けて謝りながらも、その手はまだしっかりと握りしめられている。
「ぼ、僕は大丈夫だよ。誰だって、こんなヤツ根暗だと思うだろうし」

そう言った瞬間詠斗が勢いよく振り向いた。
なぜかその顔は今にも泣き出してしまいそうに見えて、燐音のほうが戸惑ってしまった。

詠斗は握りしめたままの手に力を込めて燐音を引き寄せると「燐音は根暗なんかじゃねぇよ」と囁いたのだった。