その目は見たものすべてを凍りつかせてしまうような冷たさがあった。
「だ、だって……」

京介がゴクリと唾を飲み込んで後ずさりをする。
だけど背中に机があたってすぐに立ち止まってしまった。

「燐音は俺の友たちだ。俺がそう望んだから一緒にいるんだ。お前らにとやかく言われる筋合いはない!」

詠斗の声が教室の中に響き渡る。
京介と克也が黙り込み、重苦しい空気が4人の間に立ち込めた。

それを破ったのは詠斗だった。
詠斗は燐音の右手を強く握りしめると大股で教室を出た。

詠斗に握りしめられている手が熱を帯びて熱くて、燐音の心臓はまだドクドクを跳ね始めたのだった。