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今朝の出来事があったから教室では静かだろうと思っていたが、あの程度のことを気にする詠斗ではなかった。
燐音より10分ほど遅れて登校して来た詠斗はすぐに燐音に近づいてきたのだ。
「燐音、なんで俺のこと置いていくんだよ。同じ部屋だろ?」
「え、詠斗が変なことしてくるからだろ」
近づかれると朝の出来事を思い出してしまうので、燐音はできるだけ身を離して答えた。
もちろん、今日の燐音も分厚いメガネと前髪で顔を隠している。
そのため、教室へ入ってからもまだ誰とも挨拶さえ交わしていなかった。
そこに人気者の詠斗が登校して来て真っ先に詠斗に近づいてきたものだから、教室内がざわめいた。
「なんであいつと仲良くしてんの?」
「なんでも同じ部屋らしいぞ」
「うわぁ。あんなのと同じ部屋かよ」
そんな棘のある言葉が聞こえてくるし、鋭い視線だって感じる。
見られたくないのに見られてしまう。
「あまり近づくと逆に目立つからやめてよ」
相変わらず自分の席に向かおうとしない詠斗に小声で文句を言う。
が、詠斗は我関せずと言った様子で「だって俺たち友達だろ? 一緒にいてなにが悪いんだよ」なんて言っている。
今朝の出来事があったから教室では静かだろうと思っていたが、あの程度のことを気にする詠斗ではなかった。
燐音より10分ほど遅れて登校して来た詠斗はすぐに燐音に近づいてきたのだ。
「燐音、なんで俺のこと置いていくんだよ。同じ部屋だろ?」
「え、詠斗が変なことしてくるからだろ」
近づかれると朝の出来事を思い出してしまうので、燐音はできるだけ身を離して答えた。
もちろん、今日の燐音も分厚いメガネと前髪で顔を隠している。
そのため、教室へ入ってからもまだ誰とも挨拶さえ交わしていなかった。
そこに人気者の詠斗が登校して来て真っ先に詠斗に近づいてきたものだから、教室内がざわめいた。
「なんであいつと仲良くしてんの?」
「なんでも同じ部屋らしいぞ」
「うわぁ。あんなのと同じ部屋かよ」
そんな棘のある言葉が聞こえてくるし、鋭い視線だって感じる。
見られたくないのに見られてしまう。
「あまり近づくと逆に目立つからやめてよ」
相変わらず自分の席に向かおうとしない詠斗に小声で文句を言う。
が、詠斗は我関せずと言った様子で「だって俺たち友達だろ? 一緒にいてなにが悪いんだよ」なんて言っている。