詠斗がたたまれた布団に倒れ込み、呆然として視線を向けてくる。
「そ、そんな本気にならなくても……」

そう言われても謝る気にはなれなかった。
人の気持も知らずに!

燐音は真っ赤に染まる顔をうつむかせて乱暴に自分のカバンを掴むと、大股で部屋を出たのだった。