バスケで鍛え上げられたその肉体は燐音が思っている以上に男らしいみたいだ。
「詠斗。朝ごはんの時間だけど、一緒に行く?」

さっきよりも少し大きな声で言うと、詠斗の長いまつげが揺れた。
もう少しで起きそうだ。

「なぁ、詠斗」
そう呼んだとき、大きな目がパチリを開いた。

「あぁ、燐音か……おはよう」
布団の中で大きく伸びをして大あくびをする燐音。

上半身を起こすと明るい色の髪の毛が右へ左へピンピン跳ねていて思わずクスリと笑ってしまった。

自然と右手が伸びてその髪の毛にふれる。
すわりとした手触りを感じて我に返った。

すぐに手を引っ込め立ち上がる。
「早く食堂に行こう」

そう言って部屋を出ながらも自分の顔が耳まで真っ赤になっていることに気がついているのだった。