そう言われても出会ったばかりでこんなにキラキラしたヤツのことをいきなり呼び捨てにするのは難しい。

燐音は顔を伏せて黙り込んでしまった。
「部屋貸してもらうんだからさ、俺には遠慮しなくていいよ。漫画、貸してやるしさ」

ポンッと背中を叩かれて思わず視線を上げてしまう。
どうしてこいつはこんなにも距離感が近いんだろう。

今の僕は髪の毛がボサボサで前髪とメガネで顔が隠れていて、かなりキモイはずなのに。
そしてそれは教室でクラスメートたちの反応を見て、成功しているはずなのに。

キラキラとしたその姿に、目を離せなかった。