少し顔を上げて長い前髪の間から声が聞こえる方へと視線を映してみると、そこにはひときわ目立つ茶髪の男子生徒の姿があった。

その生徒は背筋をしっかり伸ばして隣に座った友人に笑いかけている。
口から覗く白い歯は輝くほどで、一瞬ドキリとしてしまった。

すぐに目をそらし、また猫背になって下を向く。
校長先生の話はまだまだ続きそうだった。