つまり、部屋に戻らないといけないのだ。
「4畳の部屋でふたりは狭かっただろ? 時間がかかって悪かったな」

「いえ、先生、あの……」
詠斗がなにかいいかけるけれど、先生はまるで聞いていない。

忙しそうにバタバタと足音を立ってて行ってしまった。
その後ろ姿を見つめてふたりはギュッと手を握りあったのだった。