『やだぁ、ショック』
『俺あいつの顔ならOKだけどな』

『お前もゲイかよ! 近づくんじゃねぇ!』
あちこちから笑い声が聞こえてくるけれど、燐音を手伝って隣に立つ生徒は1人もいなかったのだった。

それからの中学生活は最悪だった。
好きな人と目が会えばそれだけで吐く真似をされるようになった。

明里のとの関係は当然切れてしまい、一緒に帰る人がいなくなった。

一緒にグラビア雑誌を見る友達もいなくなり、ゲイだという噂が広まったことで燐音に告白してくる女子生徒もいなくなった。

誰とも会話せずに1日が終わることも増えて、ただただ孤独で暗い時間だけが過ぎていった。
だから、燐音は地元から離れた全寮制の高校を受験したのだ。

心機一転やり直すため。