「足しびれてるんだろ? だったら大人しくしとけって」
詠斗はそう言うと片手でドアを開けて廊下を歩き始めた。

他の生徒たちの視線が突き刺さる。
「あいつら付き合ってるんだって」

「だとしてもすげぇだいたんだな」
「ラブラブなんだよ。ほっといてやれよ」

そんな声があちこちから聞こえてきて、燐音は真っ赤になった顔を詠斗の肩にうずめたのだった。