燐音は片手で子猫の背中をなでながら器用にお菓子の袋を開けて、子猫の鼻先に持ってきた。
指で少し押し出すと、すぐに舌を出してペロペロとなめ始める。

よほど美味しいのか鼻息も荒くなっている。
「そんなに慌てて食べなくて誰も取らないから安心して」

子猫に話しかけている間にお菓子はあっという間になくなってしまった。
「あぁ、、ちょっとあげすぎたかな」

子猫相手だから本当は半分ほど残すつもりだったのに、可愛くてつい全部あげてしまった。
これじゃちゃんとしたご飯が入らないかもしれない。

そんな懸念などつゆ知らず、子猫は満足そうに自分の顔を周りをペロペロとなめると、燐音の膝の上で丸まって目を閉じてしまった。
「可愛いなぁ」

自由奔放な子猫を見て燐音は嬉しそうに微笑むのだった。